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海表!
ニョタですよ!
あんまり女っぽくないけど、というか遊戯の出番が少ないですが;

ダメダメ社長が書いてみたかったので。


題名一度思いついたんですが、思い出せなくなってしまったので(仮)に・・・


*メイドですが給仕と表記。気分で。
*かっこ悪い社長。




出来る男。

世間的、会社の中でもだが、
それが海馬瀬人に対する一般的な認識である。


事実。

海馬瀬人という男は、17にして重機工業を
アミューズメント企業のトップにまでした男であり、3年間それを維持し続けている。
仕事はきっちりこなし、
どんな状況でも最善の手段を選択でき、未来を重視する姿勢、
社員から見ても尊敬できる人物である。

しかし。

その事実だけで海馬瀬人を本当に評価できるわけではないのも事実。


それは海馬の屋敷の人間と、会社の一握りしか知らぬ事実。


「姿が見えないが・・・?」
「そろそろ来るかと思いますよ。」
「そうか・・・。」


海馬瀬人のスーツの内ポケットには、
2週間もの間高級な箱は秘められっぱなしである。
その箱の中は、プラチナにガーネットが埋め込まれた指輪。


まだ主要なメンバーが揃っていないようだが、
先に言ってしまおう。

出来る男、海馬瀬人は、2週間、いや正確に言えば12ヶ月間、
ある人物に告白しようとして出来て居ないのだ。

3週間前にいい加減に告白しようと思い立った。
何か用件があれば何とかその手の話題を口に出来るだろう、そうしたらぽろっといえてしまうのではないか。
そうだ、きっかけだ、タイミングの問題だ!で、
指輪を購入したのだが、この有様である。


この醜態を知っているのは前述したとおり、
屋敷の人間と会社の一握りだけである。
この者達はそれを面白がるつもりはなく、
早く告白して欲しいと思っているのだ。とりわけ、

「兄サマ!」
「あ、ああ、モクバか。」

この人物は切に願っている。
彼はことの顛末をもっとも詳しく知っている人物である。
それに加え個人的な理由もあって、
早く丸くなって欲しいと思っているのだ。

「・・・兄サマまだ渡してないんだよね。」
「・・・モクバそんな目で見ないでくれ。」
「判ってるぜ・・・別に兄サマが悪いわけじゃないって・・・」

海馬瀬人が告白できていないのは、
本人の情けなさもあるのだが、加えて大きな要因がある。


部屋で車ともう一人を待っていると、
パタパタと足音が聞こえる。
ドテっという音のあとまたパタパタと此方へ向かってくる。

「来たぜ?」
「ああ。」

部屋の前でピタリと止まると、
少ししてコンコンッと軽快なノック。
許可をすればひょこっと顔を見せる。


役者は揃った。



「瀬人さま、モクバさま、おはようございます!」
「ああ、おはよう、遊戯。」
「遊戯遅いぜー。」
「申し訳ありません。」
「気にするな。本当は休みのはずだったのだからな。急に呼び出してすまない。
仕事が込み入っていてな、社での給仕が必要だったんだ。」
「はい。大丈夫です。」


この遅れてきた人物こそ、
海馬瀬人の意中の人物である。

その割りに普通に会話をしている?
確かに接し方はぎこちなくない。
だが、

「(兄サマ・・・!)」
「(こんな朝にか?俺が落ち着かん)」

といった具合なのだ。
他にもいい例がある。



遊戯は細い腕で瀬人の大きな荷物を抱える。
自分で持つというだけいったが、それを持たないなら自分のついていく意味がないと遊戯はいうのだ。
一生懸命持っている姿をみて、
それ以上いえなくなってしまう。「重たくなったら言え」とはいうが、
誰よりも真面目で心優しい遊戯から強引に荷物を奪うことが出来ない。
従者に遠慮する主人とはいかがなものか。

無事に階段を降りきって玄関に待機していた車に乗ろうとすると。
「オレ助手席~!」
モクバは真っ先に助手席に乗り込む。
となると遊戯は後部座席に座るしかない。

無論、この弟は兄と遊戯が隣になるように仕向けているのである。

しかし瀬人は何を言うでもなく、
遊戯も失礼しますと断って座りしっかりシートベルトなどしてしまう。


コレが朝の一幕。何時もと同じである。


車の中、弟はミラー越しに後ろを確認する。

窓の外か足元しか見ない遊戯。
遊戯しか見ない兄。

兄の熱視線に気づけと念じても遊戯は気づかない。


そう、遊戯は面白いくらいに鈍感だった。
海馬瀬人にとっては面白いなどといえないか。
瀬人の情けなさとあいまって、1年が流れた。


だが、そんなことで負けるわけには行かない。


大通りへ左折すると
ひときわ高いビルが目に入る。
それこそ瀬人の会社、海馬コーポレーションである。
その一番高いところに社長室はある。

道路は空いている。本日は土曜だ

なので瀬人の側近は休暇を取った。
そこで屋敷で働いている遊戯を社に連れて行こうというのだ。

屋敷の給仕の中で遊戯を信頼していることは勿論だが、
仕舞われたままの指輪に日の目をというのが本音であるのはいちいちいうことではないか。

仕事が終わる夜に社長室から見るこの城下町の景色といえば、
ここらではもっとも美しいものだ。
土曜の会社のガラリとした中、
二人きり。

『どうかされたんですか?』
『遊戯・・・ずっと伝えたいことがあったんだ。』
『え・・・?』
『2年前・・・お前が始めて俺の屋敷に来たときのことを俺は忘れたことなどない。
今でも夢に見るほどだ。あんな気持ちになったのは初めてだった。
それから俺は何度も自問自答してきた。だが、何度問いかけても答えは変わらない。
否定することが出来ない・・・この気持ちを否定することはまるで俺自身を否定することのようだ。
遊戯。
俺は、お前を・・・』


これは一般的の場合のイメージである。

とにかく瀬人としてはこの状況を狙っている。
実際に土曜の夜に社長室で二人きりという状況は何十回とあった。

結果をいまさらいう必要はないだろう。
そもそも巧くいくのであれば何十回もする必要はないのだから。


社へ着くと、
出勤中の社員が此方を見る。
無論尊敬に値する社長を迎えようという者もあるが、
大体はヨコシマなものである。

車から降り立ったのは3人であるが、
80%の視線は荷物を抱える給仕にある。
社の人間は遊戯を給仕というより秘書とみなしているフシがある。

「社長、おはようございます。」

口々に挨拶をするものの、
視線は遊戯に釘付けである。


遊戯というのは本当に可愛らしい子であった。
モデル顔というでもアイドル顔というでもないが、
子供のような幼い顔に無垢な瞳、
白魚のような指、しっかり発育した胸元にカモシカのような足。

給仕長(女)の趣味で膝丈のベロアのセミタイトのワンピースにフリルつきウエスト・エプロン。

瀬人が一目見て気に入ったのも頷ける。



遊戯が海馬の屋敷に来たのは2年前のことである。
人が足りなかったところ、やってきたのだ。
他の給仕の知り合いの知り合いということであった。
雇い主との面接に少しおびえながら部屋に入ってきたその瞬間、

瀬人はこうなった。

すぐに彼女を自室担当にするよう指示をした。
彼女を常に見て居たかった。
時折する失敗も大して気にならない、むしろ魅力の1つといえる。
当初、瀬人は少女に対するこの感情が一体なんであるのかわからなかったが、
一年前、「遊戯の彼氏騒動」(海馬の屋敷ではそう呼ばれている)がおきてから、
漸く遊戯への感情が「愛」であることに気づいたのだ。

そして今日に至る。


会社の人間の一部は、遊戯が既に海馬社長のものである、と思っている。
また、あの海馬社長に限ってそんなことはないだろう、というものもある。
まさかあの「出来る男、海馬瀬人」が2年片思いなどということは考えても居ないだろう。


3人は無事、最上階の社長室へとたどり着いた。
荷物を海馬の机の上に置き、空調を確認する。
「珈琲をお淹れしますね。」
「ああ。」
「オレはカフェオレね!」
「はい。」
ひょこひょこと遊戯についていってしまった。

モクバは遊戯になついている。
それは瀬人の思惑云々とは関係なかった。

モクバとしても遊戯への恋慕というのはあっただろうが、
兄の胸中を知ってからは、流石に表に出来ることではなく、
むしろ応援したいと思ったのだ。
兄に限ってこんなことが起きるとは思っていなかっただろう。

この場合の「こんなこと」というのは、
まさかの一目ぼれ、だけではなく、2年間片思い、ということである。


「瀬人さま珈琲がはいりました。」

城下町を見下ろしている所にやってくる。
「モクバは?」
「もうお仕事だと言って、資料を取りにいくとか何とか。」
「そうか・・・。」

また気を使わせたらしいことに気づいた。
だが、まだこんな時間だ。

「(俺の希望としては夕方から夜が一番なんだが・・・)」

大事な話がある、と先に予約しておけば
自分を追い詰めることが出来るし、追い詰められて潔く告白出来る筈だ。

「大事な話があるんだが・・・。」
「はい、なんでしょう?」

首をかしげる姿はハムスターのようだ。
そんな愛らしさの前に怯んでしまう。

「いや・・・その・・・11時に客が来る。飲むものは用意しておいてくれ。」
「はい。」


嗚呼、情けない。


もし此所で遊戯が「大事はお話ってそれのことですか?」と言えば、話は変わるのだが、
大事な話=飲み物の用意 だと思っているのだ、手に負えない。

「それまでゆっくりしていてくれ。
そのうちモクバが戻ってくる。落ち着きの無い奴だ、
遊びの相手でもしてやってくれ。」
「はい。」

遊戯はにこにこと笑って、
彼女の仕事へ戻っていった。

11時に客が来る部屋の掃除にでも行ったのだろう。
パタリとドアが閉められてから、瀬人はのすりと椅子に腰掛け、深いため息をついた。

「遊戯・・何故だ・・・。」


残念だが遊戯のせいだけではない。

無論瀬人もそれくらい判ってはいるのだが、
彼の不器用さでは告白するのは難しすぎた。


指輪が日の目を見るのはいつのことか。

誰も知らない。


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唐突にダメダメな社長が頭に浮かんだので。
ほかの事に関しては完璧なくせにダメダメ。

本当は遊戯がすごく強気な感じでもいいかな、と思ったのですが、
何時もの感じになりました。

社長がダメダメな分、モクバは頑張ります。


ダメダメ社長は面白いと思うんだよなぁ・・・書けてないだけで(苦笑)
もっとあわてる感じのシーンがあればよかったな。



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