何処のカテゴリーに入れればいいんだ・・・
とりあえず第3弾です。
次から本格的にバカっぽくなると思います。
今回までは割りと真面目に書きました。
次で終えるつもりではいます;
*女装アリ
† † †
それから2人、
イチゴを摘みながら
森の中を仲良くおしゃべりを楽しみながら歩きました。
新鮮な時間は、あっという間に過ぎてしまいます。
「そろそろ戻らなきゃ・・・。」
「もうか?連れ去ってしまいたいほどなのに。」
「だめだよ、皆心配しちゃうから。」
2人とも別れが非常に惜しかったのですが、
大切な家族をないがしろには出来ません。
「また会えるのか?」
「会えるよ。」
「本当に?」
「ほ、本当だよ!」
「何時?」
男にとって余りに夢のような時間だったので、
夢を続きを見ることが出来ないのと同じように、
続きのない出会いだと思わずに居られないのです。
「俺は何時でも良い、何時でも何処にでも会いに来る。紅葉の都合がいいときで構わない。」
「ボクは、ボクだって何時でも良い・・・でも、皆が・・・」
急いで帰らなければという気持ちもあり、
焦っていた紅葉の頭はふと思い立ったのです。
「そうだ、助けてくれたお礼ってことにすればいいんだ!嘘じゃないもんね。
だから、そう、すぐ、今日の夕暮れに、森の端にある水車小屋に来て。」
「今夜、森の水車小屋で。」
「そう!何かご馳走を用意しておくから!」
男の持っていたバスケットを取って、
紅葉は駆け出しました。
「絶対に来てね!」
「ああ!絶対にだ。」
紅葉は可愛らしく手など振って、足早に帰ってしまいました。
「今夜の結婚式はサボタージュ決定だぜ!」
拳を強く握りました。
† † †
「お師匠さま!ドレス出来ましたよ!」
「マナ、さすが、というかさすが私の教えた魔術というべきか。」
「えー!私の功績です!」
可愛らしいピンクのドレスがすっかり出来上がっていました。
「ただ色に問題があるな。」
「ピンクでOKです!」
「もっと落ち着いた・・・紫でどうだ。」
「結婚式ですよ!?華やかなピンクが一番です!」
ドレスの色で言い争っています。
一方セラエノもケーキを焼き終えたところです。
「(味は大丈夫だと思うけれど。)」
味見をする気にはなりませんが、大丈夫でしょう。
ただ彼女には気になることがありました。
事実を伝えた時、遊戯はそれを受け止めてくれるでしょうか。
たとえ受け止めてくれないとしても、それを許すわけには行かなかったのですが。
訪れるだろう複雑な胸中を思うと、素直には喜べずにいました。
しかしあとは主役の帰りを待つだけです。
「セラエノ・・・は大丈夫だと思うが、マナ、今日は少したりとも気を抜いてはダメだぞ。」
「はい!大丈夫です!絶対に上手く行きます!」
「・・・遊戯様が帰ってきます。」
小鳥たちのさえずりと共に、
イチゴの入ったバスケットを持って、ニコニコと楽しそう紅葉が帰ってきました。
「ただいまー!」
「お帰りなさいませ。」
「どうしたの?改まっちゃって・・・あっ!」
遊戯が目にしたのは、美味しそうなケーキに、美しいドレスです。
「え、なんで・・・!?」
「今日は、あなたの誕生日です。」
「ほんとに!?」
「ええ。」
「そうですよ!今日は遊戯様の16歳のお誕生日です。」
「ゆうぎ?何それ、ボクは紅葉だよ。」
「いえ、あなたは本当は遊戯という名なのです。」
マハードは話しました。
本当は王女であったことを、それが偶然男になってしまったことを、
そして今夜、結婚式が行われるということを。
あの悪魔みたいな男のことは何一つ告げませんでした。
話を聞き終えた遊戯は唖然としていました。
「嘘だ!」
「・・・嘘ではありません。」
「やだ、やだよ!」
「遊戯様・・・」
「遊戯じゃない!だって・・・あの人が呼んでくれたんだ・・・なのに・・。」
「あの人・・・?」
「そうだよ!今夜来るんだ、ボクを助けてくれた人なんだ・・・。
お願いマハード、今夜は何処にも行きたくない!
もう一度、一度でいいから会いたいんだ・・・。」
遊戯はすがりましたが、マハードは首を横に振るだけです。
セラエノは俯いたままで、マナは何故か泣きそうでしたが、
遊戯の願いが叶わぬ事は、抗いようのない現実でした。
遊戯がわっと泣き出して、二階のベッドに飛び込んだまま、暫く泣き伏せてしまいました。
夕方になって、遊戯は城へと連れて行かれました。
俯いたその表情は、これから結婚するとは思えぬ様相で、
魔法使いの3人も本当に気の毒だったのです。
しかし、それも決められたことです。
「遊戯様、暫く此処でお待ちください。」
「・・・。」
塔の控え室のドレッサーの前に座らされました。
ドレスに着替えた遊戯は、今すぐそれを脱ぎ捨てたい衝動に駆られます。
そもそもスカートを穿くようになったのは、
つい数ヶ月前のことで、思えばこの日の為だったようです。
「これは私たちからの最後の贈り物です。」
ふっと頭上に小さなティアラが姿を現し、
前髪の上にちょこんと乗せられました。
鏡に映る自分の姿。
着たこともないドレスを身にまとい、
不釣合いなティアラを載せて、
石造りの冷たい部屋の中。
木造の水車小屋でもないし、森の中でもありません。
小鳥のさえずりも小川の音も、木の葉のすれる風の音もありません。
窓の外に見える森、
今夜あの人が来る森が見えます。
まるで全てを奪われてしまったようで、
遊戯は再び伏せてしまいました。
「遊戯さま・・・。」
「1人にして差し上げましょう。・・・解っていたことなのです。」
1人にしてやること以外何も出来ない不甲斐ない自分たちを歯がゆく思いながら、
3人は部屋を出てゆきました。
「・・・なんでかな・・・どうして・・・?」
こんなことになるのであれば、
あの時さらわれてしまえばよかった。
後悔してもしきれません。
暫くクズクズしていると、
ふっと火の付いていない暖炉の方に気配を感じました。
不安になってそっと歩み寄ると、階段があるではないですか。
「(もし、この階段が外に通じていれば・・・)」
わらにもすがる思いの遊戯は振り返ることなく階段を上っていってしまいました。
寒くて暗くて、不安でしたが、それでも先へと進んでいきます。
すると、
上のほうに光が見えたのが解り、遊戯は急ぎ足で階段を昇っていきます。
昇りきるとそこには、
1人の黒衣の男がゆったりと座っていました。
† † †
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